山下海堂よりごあいさつ、高村光太郎は書の極地に
山下海堂よりごあいさつ

山下海堂よりごあいさつ


山下海堂

山下海堂個展「山下海堂の素顔」より
いつのころからか個展への願望意識して来たのですが、何かもう一つ燃え上がって来るものがない。
多忙な毎日の中で、悶々と過ぎてきたのが現状である。

今般、師、柴田侑堂先生のお勧めと、地元川越市が市政八十周年を迎えての「クラッセ川越」のオープンに合わせての個展と、感慨深く感じるものがあります。

ひと通りの書論、古典への探求とその魅力も充分身に捉えながら、汲めども汲めども尽きぬ深遠なる道のりである。

高村光太郎は書の極地について、次のように語っている。

「書を極めるためには、造形意識を養い、この世の造形美に眼を開くことである。書がわかれば、絵画も彫刻も建築も、その眼は人生の機構そのものさえ見抜いてしまう力を持っている。
書しかわからないのは理解が浅いからである」

氏の語り部によって感動の極みが全身に巡り合うことが出来たように思う。
何かが吹っ切れたようである。

今迄は文字との会話、自己意識の情感、感動の表現、具視等々出来ればとの思いであったが、中々乗りきれていない作品ばかりである。
社会情勢の変化に、心の求めるものが噛み合っていない。
永遠の課題でもあろう。

美と醜の両面が生み出す書芸術の究極に更なる挑戦が始まろうとしている。

個々の作品に対峙し何かを感じられれば、幸甚に存じます。

今は、師、先輩諸氏、多くの皆様からご声援励ましを受けて個展を開くことができました。

こころより深く感謝申し上げます。




Copyright (C) 2008
一文字書道家山下海堂公式サイト
All Rights Reserved.